新米お父さん、お母さんへ
―赤ちゃんの発達に欠かせない大切なこと― |
T)赤ちゃんの言葉の発達について
誕生した赤ちゃんは、2か月頃には周囲の人に対して微笑んだりして明らかな反応を示します。
『あ〜(・。・)』『ぷ〜』\(◎o◎)/!などのいろいろな音をだして、お母さんの話かけにも応える
ようになります。この頃から『いないいない、ば〜』が最も楽しい遊びになります。このような音と言葉の
やりとりは6か月ぐらいまで続きます。この時期までに、哺乳を通して口や舌などの筋肉も発達し、
周囲の人間とのコミュニケーションのとり方や物事を認知する力も芽生え、一歩一歩発達していきます。お母さんやお父さんは赤ちゃんと視線を合わせ、沢山の会話にならない会話を楽しんでください。
赤ちゃんはお母さん、お父さんの様々な言葉の中の音の大きさ・高さ・音色を聞き分け、着々と発語
の準備を整えるのです。ですから赤ちゃんを取り巻く人々の言葉の刺激が大切です。とりわけお父さん
お母さんの赤ちゃんに対する話かけの量と赤ちゃんの言葉の発達は比例すると言われています。
生後6か月頃になると、いわゆる『人見知り』が始まります。これはお母さんと赤ちゃんの絆(信頼
関係)が出来上がったあかしです。お母さんは信頼できる人と認識され、逆にそれ以外の人は安心
できない人と判断されたのです。人見知りの程度は色々ですが誰もがとおる道筋です。最近の研究
では、人見知りは、近づきたいけれど怖いという心の葛藤の現れと理解されています。いずれ親離れ
の時期がやってきます。少しでも長くベタベタ、ヨシヨシできることを楽しんでください。
7〜8か月を過ぎると『パチ、パチ』『ジョウズ、ジョウズ』『バンザ〜イ
\(^^@)/』『オツムテン
テン』『バイバイ (ヾ(´・ω・`))などの芸事ができるようになり、お母さんやお父さんのまねをして『イナ
イイナイバ〜』など、言葉に応じた手振りができるようになります。また、この頃にはお母さんの優しい
顔と怖い顔を見分けて、笑ったり泣いたりの反応が認められます。『ア、バ、バ』などの声を出して一人
で遊ぶこともあります。喃語(なんご)の出現です。うるさいくらい意味不明な声をだして、おしゃべり
をします。赤ちゃんの発語は唇を使って発音できる『ぱぴぷぺぽ』『ばびぶべぼ』『まみむめも』から始ま
ります。従って最初に発する言葉は『ママ』『パパ』『ブー、ブー』などになります。
10か月頃にはお母さんやお父さんの出す声をまねするようになり、『あ〜、ぶ〜』『あ〜、ぶ〜』
遊びが家族で流行します。この頃にはお父さん、お母さんの多くの言葉の意味を理解できるようになり
ます。
1歳2〜3か月頃になると意味のある言葉を話す赤ちゃんが多くなります。早い赤ちゃんは10
か月、遅い赤ちゃんは1歳6か月頃からです。同じ頃には発語はもう少しでも、指さしができるように
なっています。例えば絵本を見ながらブーブーはどれ?ワンワンはどれ?などと尋ねると指さしで教え
てくれます。ママはどれ?パパはどれ?おヘソはどこ?ハナはどこ?・・・・・。また、『あいうえお』の母音
や『ん』も使えるようになり、色々な言葉が話せるようになります。
2歳過ぎ頃には単語をつないだ2語分『パパ カイシャ』『チックン イヤ』などいわゆる2語分が
話せるようになります。その後の言葉の発達はめざましく、3歳頃には大人顔負けの言葉を操るよう
になります。
小さい子どもの聞き取り、理解する力は、まだまだ未熟なので、ゆっくりした速度で、はっきりと話す
ことが大切です。具体的には、口を大きくあけて、明瞭な発音で、はっきりと話すことで、お子さんは
聞き取りやすくなります。
繰り返し、繰り返し同じ場面で同じ言葉を使うことで記憶が完成する。『りんご』という言葉を覚え
る場合、まず『りんご』の語尾の『ご』を記憶、その後に繰り返し、繰り返し、聴くことで『りんご』という
言葉の音を覚えることができます。『りんご』という言葉を覚えるには、実物や絵本を指差しながら、
赤くて丸い、食べると甘いものであると理解して、はじめて『りんご』という言葉を覚えることができます。
したがって、実物や絵本を見せたり、ジェスチャーを交えて、聴覚的刺激に視覚的に刺激を追加する
ことで、記憶に残りやすくなります。赤ちゃんが『バイバイ((ヾ(´・ω・`))という言葉を覚えるとき、
多くの赤ちゃんは、バイバイのジェスチャーを先にまねるようになり、そのあとバ・・バーなどを経てバイバイ
を習得します。また、絵本を一緒に見ながら、これはブーブー、これはニャンコなどと指差しながら会話
することも言葉の習得には有効です。
さらに、生活の場面を通してコミュ二ケーションとしての会話を楽しみましょう。クックを履かせる場合、
『さあークックを履きましょう』と行動の開始の合図とともにはじめ、『そうそう よくできました』で締めくくり、
『さあー公園へ行きましょう』と次の場面へ。
まとめると、はっきりした言葉で、ゆっくりと、ジェスチャーや実物、絵本の指差しなど視覚的な刺激
を与えながら短い言葉で繰り返すことです。生活の色々な短い場面をつなぎ合わせることで、言葉
と同時にコミュニケーションのとり方を学ぶことになります。お父さん、お母さんをはじめ周りの人達の
赤ちゃんへの言葉がけの多さが赤ちゃんの言葉やコミュニケーション力の発達につながります。
大きくなれば自然と言葉が出てくるわけではありません。
|