新しいアトピー性皮膚炎治療薬デュピクセント(抗体医薬)について

【はじめに】本薬剤は、アトピー性皮膚炎の皮膚の内部で生じているTh2細胞によるアレルギー
炎症を抑えることで、皮疹やかゆみなどの皮膚炎症状を抑えます。本剤は、免疫グロブリンと
同様の構造をしたタンパク質で、アトピー性皮膚炎で中心的な働きをするサイトカイン、IL-4と
IL-13の受容体に結合すことで、その働きを抑えます。

【対象患者】15歳以上。アトピー性皮膚炎の重症度が中等症以上で、一般的には
ストロングクラス以上のステロイド外用薬を直近の6か月以上使用している場合。 

【実際の使い方】初回に維持量の2倍を皮下注射で投与し、その後2週間ごとに維持
量を投与します。

【治療効果と副反応】治療効果についての検討では、16週には投与前に比較して
皮膚病変の重症度が80%の人で半減し、かゆみは、全員で半減したと報告されて
います。
 副反応については、ふらつき感や息苦しさなどの過敏反応に注意が必要です。特
異ものとして結膜炎など目やまぶたの炎症症状が数パーセントにみられます。

【医療費】本薬剤の薬価が1本81,640円と高額のため、保険診療ですが、高額になり
ます。